私の場合はどうか?


私は今の会社の商品に対して思い入れがあり、この会社が好きでした。また自分の趣味・技能を生かせるという面もあり今の仕事を選びました。


働き出してそれなりに自分の技能を生かした仕事ができ、仕事に対する満足感もある程度ありました。その反面、自分のやりたいことがすべてはやれていないという気持ちがくすぶっており、職場転換を申し出たこともありました。


自分のやりたいことばかりがやれるとは思っていませんし、自分がやりたいことを実現するだけの能力がまだ自分には足りていないということも自覚しているつもりです。


そんな中、職場では管理職不足から自分に技術職から管理職への配置転換の要望が伝えられます。私は自分の能力を試す意味もあってこの要望を受けました。


そしてしばらく管理職として仕事を続けてきましたが、これが想像以上に大変で自分にはこなしきれませんでした。個人的には仕事の適正不足と能力不足が原因と思っています。会社からはもちろん成長してほしいという感じで今の職をがんばってほしいといわれますが、管理職という立場上うまく回らない場合部下にも悪影響が出ます。個人的には今の仕事を続けるのは自分にとっても周りにとっても幸せではないと思っています。


「じゃぁ今すぐにでもやめればいい」


そんな声が聞こえてきそうです。ごもっともです。自分もそうしたいです。でもやめるのは怖いです。自分は家庭を持っていませんが、それでもやはり生活のため再就職のことを考えます。しかし今の会社でだめだったなら他の会社でもダメという考えになり、結局まとまりません。また、今の会社をやめた場合の影響も考えてしまいます。今まで担当していた業務は今後どうなるのか、自分がいなくなったら進まなくなってしまうのではないか、自信過剰といわれるかもしれませんがそんなことも思ってしまいます。


以前職場転換を考えていたときに誰かに言われました。


「あとのことを考えていたらなにも行動できない」


たしかにそうです。会社側はやめないでいるのが最善であると認識している以上、影響を考えていたらやめられなくなります。やめるのが最善であるならなんとかしてそれを理解してもらうか、もう理由も告げずにスパッとやめるのが最善です。


なんとかやめずにうまく解決する方法があればよいのですが…。なかなか仕事は大変です。



そんなことを考えていたら「陽のあたる教室」という映画を思い出しました。


この映画は駆け出しの音楽家が家族を養うために自分の音楽家としての時間を犠牲にして学校の先生をしていたが、時間はそのまま過ぎてゆき、音楽家としての人生は実現できなかったが、結果的に教育者としての人生という価値を得たというものです。


人生というものを考えされられるやさしいいい映画です。